LABEL - CESURA (ITA)
FORMAT - BOOK
状態:NEW

2008年に結成されたイタリアの写真家集団CESURA 彼らは全世界を舞台に写真を撮り続けている。 CESURAに所属するArianna ArcaraとLuca Santeseは、2009年に取材でデトロイトを訪れた。資本主義に翻弄されるアメリカの象徴としてデトロイトのルポルタージュを制作する予定だった彼らは、そこで期せずして、街の荒廃した建物の中に数多く残されている写真や文書を見つけることになった。本来の取材趣旨とは外れるものであったが、別のドキュメンタリーの可能性を発見した2人は、路上に捨てられた写真を収集して「Found Photos in Detroit」プロジェクトをスタートさせた。 警察資料、脅迫文書、家族写真、ポラロイド。2009年から2010年の間に収集された資料は合計で1,000枚にも上る。その資料の中から200枚を選別して最初の展示が行われた。展示は、パリ、ストックホルム、ラヴェンナ、トリノ、シカゴと世界各地を巡回し、プロジェクトの展示内容を限定1,000 部の写真集として出版したのが本書『Found Photos in Detroit』（Cesura、2012年）である。 写真集『Found Photos in Detroit』は数々の媒体で年間のベスト写真集として賞賛され、2012年の出版にも関わらず、写真家Martin Parrと批評家Gerry Badger編纂の歴史的価値のある写真集を紹介する『Photobook: A History Vol: III』にもすでに取り上げられている。 デトロイトという街は一体何なのか。デトロイトという街を実際に訪れたことはない。ただ、デトロイトの音楽は好きだ。 人びとがデトロイト・テクノ、デトロイト・ハウスと呼ぶとき、その地名は音楽ファンにとって特別な意味を持つ。この写真集はそのような「デトロイト」という地名に特別な愛着を持つ人が読むべき写真集かもしれない。わたしはデトロイトという街を実際に訪れたことはない。しかし、この写真集のページをめくったときに頭の中で流れたのは、かつて何度も暗闇で耳にした、生々しく身体に響くデトロイトの音楽だったことは確かだ。 この写真集には下半分が焼けただれた傷だらけの星条旗の写真が登場する。写真家William Egglestonの圧倒的な色彩によって写し出されたネオンの星条旗とはまた別の星条旗だが、不思議なことにどちらの星条旗も暴力的に美しい。 デトロイトでかつて失われ（Lost）、そして時を経て他の人の手にわたった（Found）写真を編集して作り上げられた『Found Photos in Detroit』に目を通すことでデトロイトという街を再発見する。(LVDB BOOKS) (2012)

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